真っ白な肌、にーっこりと笑ったお顔に、黄色の着物。
沖縄の八重山諸島で大切にされている仏さま、「ミルクさま」です。
ミルクさま、というのは「弥勒菩薩さま」のこと。
沖縄独特の方言で「ミルクさま」となったようです。
それぞれの島々にミルクさまがいらっしゃって、
お出ましになられる時期は島によってちがいます。
私が今回訪れた波照間島(有人の島として、日本最南端)では、
毎年旧暦のお盆にミルクさまがお出ましになるお祭「ムシャーマ」がひらかれます。
歴史を描いた絵巻ものにも、ムシャーマでミルクさまの行列が描かれています。
波照間島は小さな島ですが、集落を3つに分けて
それぞれの集落にひとりひとりミルクさまがいらっしゃいます。
ムシャーマの日は、それぞれのミルクさまが各集落から島の中心に集まります。
ミルクさまは、豊穣の仏さま。
大きな団扇をもって歩くミルクさまの後ろには、子どもたちが続きます。
さらにその後ろに、農民の姿をした人や踊り子、笛や太鼓を叩く人たち・・
いろんな役割の人たちが並んで、ひと行列大体100メートルほどになります。
今回いろんな縁あって、私もミルクさまの行列に参加させていただくことになりました。
いただいた役割は、「ウマムシャ」と呼ばれるお馬さん。
それぞれの班にそれぞれの曲があって、歌があって、かけ声があって、
私が教えてもらったのはウマムシャのものだけですが、
そのサビの部分がこんな歌詞でした。
したーり よーぬ ゆばなうーれ
みーるく ゆーば たーぼられー
これは、
「ここにどうぞミルクさまの世をください
ミルクさまの豊かな世をください」
というような意味だそうです。
ムシャーマは、豊穣の仏さまであるミルクさまに、
歌い、踊り、この世に恵みをと願うお祭なのです。
波照間島の三線の先生、後冨底周二さんも行列にいます。
格好いいです!
獅子もいます。
各集落のミルクさまは、それぞれに表情がちがって、
着物の色や着付けの仕方も少しずつちがいます。
みんな「うちのミルクさまが一番!」「うちの行列が一番!」と思いながら
堂々とミルクさまの行列をつくる、真剣な雰囲気が本当にステキ✪
ご先祖さまがこの世に戻ってくるお盆。
ムシャーマの2日前には、本番さながらの予行練習が行われました。
体が不自由になってしまって行列に参加できなくなったおばあたちが
踊りや歌をしっかりとチェックをしてくれるのです。
仏さまへ捧げる踊り、歌。
冗談やおふざけはもちろん、失敗も御法度。
参加するすべての人たちが真剣に、
精一杯の踊り・歌を仏さまへ捧げました。
練習も本番も、一緒に参加させていただいて、自分も歌い踊って、
昔の人たちがどれだけ真剣に「恵み」を必要としていたかが、伝わってきました。
恵みは、神さま仏さまからいただけるもの。
この魂のこもった1日は、
自然の中で生き続けている小さな島だからこその1日なように思えました。
仏さまは決して遠いところにいらっしゃるわけではなく、
一緒に寄り添いながら、わたしたちは生きてきているのかもなぁ・・☀
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