大日如来(だいにちにょらい)さま
Mahaa Virochana
大日如来さまは、他の如来さまとはちょっとちがいます。
お悟りをひらいているのに、かんむりやネックレス、腕輪など、アクセサリをいっぱいつけていて、まるで菩薩さまのようなお姿をしています。
大日如来さまが日本にやってきたのは、平安時代。弘法大師 空海さまが日本へ持ち帰った「密教」で、大切な仏さまなのです。 ひみつの教えと書く密教は、大切な儀式などはひみつに行われる、本当にひみつがいっぱいな宗教です。
大日如来さまは、この密教で、宇宙の中心にいらっしゃる仏さまとして、とても大切にされています。 その存在の大きさ、偉大さのあらわれとして、大日如来さまはアクセサリを身につけているといわれています。
ふたりの大日如来さま
密教の教えは、ことばで伝えるにはとてもむずかしかったそうです。 そこでお坊さんたちは、絵をつかって教えを伝えていくことにしました。 その「教え」がつまった絵を、「曼荼羅(まんだら)」といいます。
メインとなる曼荼羅には2種類あって、それぞれに名前がついています。 ひとつは、「胎蔵界(たいぞうかい)」、もうひとつは「金剛界(こんごうかい)」。 その曼荼羅のまんなかに描かれているのが、大日如来さまです。
胎蔵界の大日如来さまと、金剛界の大日如来さまは、 同じ仏さまですが手のかたちがちがいます。
通常、向かって右側にならぶ胎蔵界の大日如来さまは、両手をももの上で重ねていますが、左側にいらっしゃる金剛界の大日如来さまは まるで忍者のような手をしています。
これは「智拳印(ちけんいん)」といって、左手の人差し指を右手でにぎり、右手の人差し指を上にのばしたかたちです。 ダイヤモンドのような大日如来さまの強くかたい意志をあらわしているようですね。
戦争をみつづけた大日如来さま
愛知県名古屋市にある七寺(ななつでら)というお寺の境内には、大きな大日如来さまがいらっしゃいます。
昔、青銅でつくられた大日如来さま。第二次世界大戦のとき、この辺りは大空襲があって、一面焼け野原になってしまいました。 七寺も爆弾を落とされて、本堂もご本尊さまも燃えてしまいました。
必死で堂内にいらっしゃった仏像を運びだしていたご住職は、火に包まれてまっ赤になっている大日如来さまを目にしたそうです。 「まるで怒っているようだった」そうです。戦争をずっとみていた大日如来さま。今は穏やかな日々を見守っていてくださっています。


